不動産売却における「囲い込み」とは、仲介業者が売主と買主の両方から仲介手数料を得る目的で、他の業者からの問い合わせを意図的に遮断する行為を指します。これは不動産市場の健全な取引を阻害し、売主にとって大きな不利益となる可能性があります。
囲い込みの危険性
1. 売却価格の低下
他の業者からの購入希望者を排除することで、競争が生まれず、適正な市場価格よりも低い価格での売却につながる可能性があります。
2. 売却の遅延
囲い込みが行われると、物件情報が十分に市場に流通しないため、購入希望者が限定され、売却までに時間がかかることがあります。
3. 売主の利益を損なう
売主は本来、最も良い条件で売却できるはずですが、囲い込みによって仲介業者が自社の利益を優先するため、売主が損をするケースが多くなります。
4. 適正な市場競争の阻害
囲い込みが横行すると、不動産市場全体の公平性が失われ、透明な取引が難しくなります。その結果、不動産の適正な価値評価が行われにくくなります。
囲い込みを防ぐ方法
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複数の業者と相談する
一社のみに依頼するのではなく、複数の不動産会社と話をして、囲い込みのリスクを減らす。 -
レインズ(不動産流通標準情報システム)を確認する
専任媒介契約や専属専任媒介契約の場合、物件情報が「レインズ」に適切に登録されているかを確認する。 -
オープンな販売活動を求める
売却活動の報告を定期的に受け、どのような問い合わせがあるのかをチェックする。 -
両手仲介を避ける
不動産会社に対して、売却時には他社からの買主も公平に扱うよう求める。
不動産売却を検討している場合は、囲い込みのリスクを理解し、透明性の高い取引ができる業者を選ぶことが重要です。